わが子の心豊かな未来を願う、家族の思いが詰まったランドセル。選んだきっかけや、こどもたちに寄せる思いとは……。ランドセルとご家族の数だけ、あたたかな思いがありました。
一目見て、心引かれた水色のランドセル
INTERVIEW:長谷さんご一家(2015年11月取材)
都心から電車とバスで50分ほど。里山の風景が残る東京・多摩丘陵に、長谷さんご一家は住んでいます。野乃子ちゃんは、野山を駆け回ったり、大好きなトノサマバッタを捕まえたりと、元気いっぱいの小学2年生。牛革・プレミアムの水色のランドセルを背負って、学校に通っています。
ものの向こう側にある、
つくり手のぬくもりに包まれて暮らす。
「人の手のかかったものにひかれるんです」と話すのは、お父さんの芳教さん。長谷さんのおうちは、杉の木をふんだんに使った一軒家です。家族みんなで過ごす時間のこと、自分たちの趣味のこと。工務店の人と何度も会話を重ねて、間取りを決めました。大きな窓からたっぷり光が差し込むダイニングには、桜の木でつくってもらった大きなテーブルがあります。「天然のものだから歪みもあるけれど、それもまた味で」とお母さんの睦子さんは笑います。あるとき、野乃子ちゃんがお友だちに「うちのテーブルは、こぼすとシミになるの」と話しているのを聞いて、「それはそれで素敵なんだよ」と教えてあげたそうです。
会社員とコーヒー焙煎人の二つの顔を持つ芳教さんと、イラストレーターの睦子さん。芳教さんは、「自分たちがつくり手だからでしょうか。ものの向こう側にある、つくり手の思いのようなものを買っている気がします」と語ります。人の手によって一つひとつ丁寧につくられたものに「思い」を感じ、それを使うことで、生活にあたたかみが加わる――。土屋鞄のランドセルを選んでくださったのも同じ理由からだと、お二人は話してくれました。
野乃子ちゃんが土屋鞄のお店に来てくれたのは、年長さんの夏。睦子さんは「ふだん青や緑のようなクールな色の服を着ているせいか、水色を背負ったらすごくしっくりきて。本人も一目見て『これがいい!』って」と振り返ります。写真を撮っておじいさんとおばあさんに送ると、「ののちゃんに似合う水色だね」と喜んでくださり、全員一致で水色に。取材の帰り際、「はい!」と庭でとれた朝顔の種をくれた笑顔の野乃子ちゃん。おじいさんとおばあさんのおっしゃる通り、野乃子ちゃんの笑顔には、優しさと芯の強さを感じさせる水色のランドセルが、良く似合っていました。(2015年11月取材)
長谷芳教(よしのり)さん、睦子(むつこ)さん、野乃子(ののこ)ちゃん、草葉子(そよこ)ちゃん、取材後に三女の風生子(ふうこ)ちゃんが生まれました。
野山が大好きな長谷さんご一家。家族みんなでハイキングに行ったり、陶器市やクラフト市にもよく出かけたりするそうです。そこで出会った作家さんとのやりとりも、楽しみの一つ。睦子さんは、「作家さんと直接お話ししながら購入したものは、それを使うたびに、そのとき交わした会話や風景、季節や温度なども思い出して、あたたかい気持ちがよみがえります」と話します。
[ながたに睦子イラストレーション]
http://blossoms-design.com/
[みなづき珈琲]
https://minazuki-coffee.shopinfo.jp/