わが子の心豊かな未来を願う、家族の思いが詰まったランドセル。選んだきっかけや、こどもたちに寄せる思いとは……。ランドセルとご家族の数だけ、あたたかな思いがありました。
姉妹それぞれになじんだ赤と緑のランドセル
INTERVIEW:入江さんご一家(2016年10月取材)
写真家のお父さんと絵日記作家のお母さんのもと、すくすくと育つ小春ちゃんと夏乃ちゃん。6年生の小春ちゃんは牛革・ベーシック赤を、3年生の夏乃ちゃんは牛革・プレミアム緑を背負っています。
6年生と3年生、 じんわり馴染んだそれぞれのランドセル。
「やっぱり、人となりが出ますね」。そうお父さんが言うとおり、5年半使ったとは思えないほどきれいな赤いランドセル。読書と運動が大好きな小春ちゃんは、翌日の着替えを枕元にきちんと用意するしっかり者です。そんなお姉さんが大好きな夏乃ちゃんのランドセルは、緑色。女の子の中では少し珍しい色ですが、「なんとなく、すぐ決まったよね」と話してくれたお母さん。「緑と決めて探していたわけではないけれど、この色合いをお店で見て、本人がピンと来たんだと思います」。夏乃ちゃんの将来の夢は建築家。取材時も、自由帳に描かれた理想の家の見取り図を見せてくれました。
二人のランドセルスペースは、玄関のすぐ横にある赤いじゅうたんの上。「こども部屋まで持っていく決まりにしていたけど、続かなくて。すぐ置けるし、はみ出なければ散らからないので平日はここにしました」とお母さん。「じゅうたんの上にはいつもあるんですが、こどもが背負っている姿は普段あまり見ないんです」と話すのはお父さん。「やっぱり、ランドセルの思い出として一番のハイライトは入学式。これを持って通って行くんだな、と思ったのを今でも覚えていますよ。あと、こどもの成長を実感できますよね。入学式と比べてランドセルが小さく見えてくると、ああ、大きくなったんだな……と」。小春ちゃんの身長は155cm。卒業まで、あと少しです。
ログハウスのような家の中には、小春ちゃんや夏乃ちゃんによるたくさんの絵や工作、写真家のお父さんが撮った数々、絵日記作家のお母さんのイラストに、代々受け継いだ机、そして何度も読み込まれたたくさんの本……。どれもあたたかく、気持ちのこもったものがいっぱいです。リビングの机では、宿題をする二人の隣でお母さんが絵日記を描くこともあるそう。優しく、ときにひょうきんに描かれるご家族のご様子は、読む人の頬を思わず緩めます。「人の手を介して、魂の入ったものと生活したい」。そんな理由で選んでくださった二人のランドセルは、あたたかい入江家の空気にじんわりと馴染んでいました。
こんなに大きくなったんだね。
そう思うとき、過ぎた年月やこれからの日々が、より輝いて見えるように思います。
あっという間のようでも、思い返せば一日いちにちが宝物。 すくすく育った小春ちゃんと夏乃ちゃんは、遊んで、ときにけんかして、どんどん姉妹になっていきます。
入江英樹さん、佳代さん、小春ちゃん、夏乃ちゃん
絵日記作家のお母さんと、写真家のお父さん。それぞれの視点でうつし出された日常は、何気ない瞬間の大切さや楽しさを教えてくれます。たくさんの世界をみて、人としての心を育んでほしい。そう願うご両親のもとで、小春ちゃんと夏乃ちゃんはのびのびとたくさんの「好き」を見つけながら過ごしています。
[フカダカヨ絵日記]
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[イリエフォト日記]
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