美しさと機能性を備えたランドセル
土屋鞄のランドセルづくりでは、美しい佇まいと使いやすさを両立する、細部まで行き届いた設計を目指しています。ランドセルに求められる機能は年々変化し、最近は、特に「軽量性」と「収納力」が重視されるように。 お子さまの負担を抑える軽量化の工夫と、荷物を無理なく収められる収納力。そのポイントを、商品開発担当の南波が解説します。
商品企画
南波
職人として入社し、製造・工程管理などに携わる。その後、ランドセルづくりの豊富な知識と経験を生かし現職へ。「こどもたちとご家族に納得していただける製品を届けたい」という信念のもと、最善を尽くす真摯な姿勢は、どの部署にいても変わらない。
使いやすいランドセルに欠かせない 「丈夫さ・軽さ・収納力」
土屋鞄のランドセルは、お子さまが毎日安心して使っていただけるように、「使いやすさ」にこだわって商品開発を行っています。使いやすいランドセルづくりの要となるのが、「丈夫さ」「軽さ」「収納力」です。
数年前までは、6年間不具合を起こすことなく使い続けられる「丈夫さ」が特に重視されてきましたが、近年は、「軽さ」と「収納力」を求める声も増えています。教科書やノート、筆記用具に加えて、PC・タブレットも持ち運ぶようになり、ランドセルに入れる荷物の量は、年々増える傾向にあります。その上、教科書に写真やイラストの使用が増えたことで、ページ数や厚みが増し、荷物そのものが以前より重たくなっている面もあります。
だからこそ、ランドセル自体を少しでも軽くして、お子さまの体への負担をできるだけ抑えたい——そう考える親御さまが増えています。
素材を使い分け、
軽さと丈夫さを丁寧に両立
土屋鞄では、1,130g前後から1,490g前後まで、軽さの面からもさまざまなモデルがあります。
たとえば、牛革と人工皮革を組み合わせた「RECO」シリーズは、1,290g前後の軽さを実現。これまでと比べて100gの軽量化につながりました。パーツごとに素材を見直し、本革らしい豊かな風合いと丈夫さを保ちながら、大幅な軽量化を図っています。
同シリーズでは、動きが多く傷がつきやすいフタや肩ベルトには牛革を、動きが少ない大マチや前ポケットには、軽さが特徴の人工皮革を採用。素材それぞれの良さを生かしながら、美しい佇まいと丈夫さの両立を目指しました。革と芯材の厚みもミリ単位で調整し、パーツごとに耐久試験を繰り返しながら、一つひとつの仕様を丁寧に決めています。
体に優しく寄り添い、
軽く感じる背負い心地
ランドセルそのものの軽量化に加えて、背負ったときに軽く感じられるよう、背中に真っ直ぐフィットする設計にもこだわっています。
たとえば、肩ベルトの付け根部分のパーツ(=背カン)を立ち上げた「立ち上がり背カン」や「S字型」の肩ベルトを採用。「立ち上がり背カン」は、重心が体に近い位置で安定するため、後ろへ引っ張られるような感覚を抑えられます。「S字型」の肩ベルトは、走っても肩からずり落ちにくい設計です。
また、実際にお子さまに背負っていただく着用試験も実施し、低学年から高学年まで、さまざまな体型に心地よくフィットするバランスを追求しました。
負担のかかりにくい背負い方
ランドセルの背負い方や、荷物の入れ方を少し意識するだけでも、お子さまの負担は軽減できます。日々の通学で負担がかかりにくくなるよう、背負い方のポイントをご紹介します。
STEP.1 肩ベルトを調整する
リラックスして真っ直ぐに立った時、体に一番フィットする穴の位置を選びます。あわせて、ランドセル本体の一番高い位置が、肩の高さとほぼ同じになるように調整しましょう。
STEP.2 適度な隙間をつくる
ランドセルと背中がぴったりし過ぎると窮屈に感じやすいため、適度な隙間があるかも確認します。大人の手のひらがスッと入るくらいが無理なく背負えるバランスです。
重さを感じにくくするポイント
重い荷物は「背中側」へ
重たい荷物は、背中側に寄せて収納すると重心が安定し、実際の重さよりも軽く感じやすくなります。タブレット端末や厚みのある教科書などは、背中に近い位置へ入れるのがおすすめです。
定期的に調整を
お子さまの成長は想像以上に早いもの。身長や体型の変化に合わせて、ベルト穴の位置を見直しましょう。また、冬場など厚着をする時期は少し緩めるなど、その都度調整していただくと快適です。
ポイントは、「背中とランドセルの間に隙間をつくり過ぎないこと」。隙間が大きいと、歩くたびにランドセルが揺れ、実際の重さ以上に肩や腰に負担がかかりやすくなります。
必要な荷物がすっきり収まる
スマートな収納力
土屋鞄のランドセルは、すべてのモデルでPC・タブレットと市販のA4フラットファイルが無理なく収まる仕様になっています。目指したのは、必要な荷物がきちんと入る収納力がありながらも、佇まいは美しくスマートであること。いまの小学生が実際に持ち運ぶ荷物について社内でもヒアリングし、無駄のない寸法へと落とし込んでいます。
「牛革ハイブリッド」仕様にすることで軽量化を図った「RECO」シリーズは、メイン収納部のマチ幅を12.5cmに設計し、収納力を高めました。容量を確保しながら軽さも損なわないよう、素材と厚みの組み合わせを地道に調整しています。
さらに、お客さまから寄せられた「小物が出し入れしにくい」という声を踏まえ、前ポケットも実用性を高める形へアップデート。「RECO」シリーズでは開口部を広げることで、中身が見やすく、取り出しやすい設計に見直しました。内側にはキーフックや名前カード入れも備え、整理整頓のしやすさにも配慮しています。
いつか振り返ったときに、
「いいランドセルだった」と思えるように
ランドセルは、お子さまの6年間の思い出を一緒に刻んでいくパートナーであってほしい。だからこそ土屋鞄は、こども向けだからといって決して妥協せず、職人の技術を注ぎ込み、使うほどに愛着がわく、品格のある製品づくりを心がけています。
美しい佇まいを損なわないことを大切にしながら、必要な機能を無理なく丁寧に織り込み、デザイン性と使いやすさが自然に両立するバランスを追求。6年間当たり前のようにそこにある存在でいられるように、不具合を起こさず、負担にならないように、一つひとつ丁寧に仕立てています。
いつかふと思い返したときに、お子さまも親御さまも「いいランドセルだった」と思っていただけたら、これほどうれしいことはありません。