

「RECO」シリーズ
色とデザインの秘密
“自由な色選び”をコンセプトに生まれた「RECO(レコ)」シリーズ。2026年ご入学用モデルからは、たくさんの新色が増えて、機能の一部もアップデート。より使いやすくなって、選ぶ楽しさが広がりました。このシリーズの魅力を、あらためて商品企画の南波に聞きました。
「色」に込めた思い


「RECO」は“自分らしさの光る、自由な色選び”をコンセプトに、「色」にこだわりを込めてつくったシリーズです。2021年の販売当初は5色のベーシックカラーのみでしたが、色のバリエーションを少しずつ増やし、2026年ご入学用モデルでは全22色に。豊富な色展開も魅力のシリーズになりました。
このシリーズを手がけた背景には、「こどもたちの色選びの自由を、もっともっと広げていきたい」という思いがありました。ランドセルにはたくさんの色の選択肢があるにもかかわらず、「男の子は黒、女の子は赤」といった昔から変わらない色選びの傾向が今もまだあるように感じていて。


大好きな戦隊ヒーローと同じ、かっこいい赤色を背負いたいという男の子がいれば、憧れのお姉さんみたいに、大人びた黒色がいいという女の子もきっといると思うんです。
そんなふうに色選びの自由を楽しみながら、こどもたちには自分の心のままに、お気に入りの一色と出合ってほしい。そして、そのこどもたちの気持ちを、私たち大人も一緒に大切にしていけたらいいなという思いがありました。


シリーズ名の「RECO」は、「認める」の意味を持つ“recognize”をベースにした造語です。自分の好きな色を選ベることは、その子の個性を「認める」こと。そして、その個性は「その子らしさ」を育むことにつながっていく。「RECO」というネーミングには、そんな思いも込めています。


最初に登場したベーシックカラーは、黒・赤・ブラウン・ネイビー・グレーの5色でした。まずはランドセルの定番色をそろえながら、少しずつ色のバリエーションを増やしていけるといいなと思っていたんです。
ただ定番色とは言っても、「男の子の色」「女の子の色」という固定された色のイメージを払拭できて、例えば「赤は女の子だけの色じゃないんだよ」という思いも伝えられる色を届けていきたい。
そのため、かわいくなり過ぎないこと、そして、大人が持ってもすてきだと思える色のトーンを意識しながら、こどもたちの背中になじむ、シックで洗練された色合いを探っていきました。


色のモチーフは、日常に溶け込んでいる美しいものからイメージを膨らませています。花や木々といった自然の風景をはじめ、街に佇む建築物や行き交う人々の服装──。日常の風景を切り取るように色を調整していくことで、飽きのこない、長く愛される色を届けられるのではないかと考えました。
そうして、2026年ご入学用モデルでは、色とりどりの全22色のラインアップに。ステッチやファスナーに差し色を加えた、バイカラー仕立てのモデルも新しくご用意しました。


デザインと機能のこだわり


デザインについては、従来のモデル(オリジナルモデル)よりもさらにシンプルに仕上げることで、「色」自体をフラットな目線で捉えられるランドセルを目指しました。あまり装飾性を持たせない、すっきりとしたデザインが、色の美しさや奥行きを引き立たせてくれるのではと思ったからです。


丈夫さや美しさ、背負いやすさなど、長年培ってきた基本ももちろん大切にしています。毎日の通学を支える大事な機能はそのままに。前ベルトや時間割入れなど、機能としてなくても十分なものは外すという引き算をしながら、今の時代らしいスタイリッシュな形を考えていきました。


また、2026年ご入学用モデルからは機能の一部もアップデートしています。一つは、ポケットを大容量サイズにしたこと。マチ付きにすることでより出し入れしやすくなったほか、鍵などを取りつけるDカンと名前カードは内側にすることで、防犯対策にも配慮しました。
もう一つは、左右の肩ベルトそれぞれにDカンを装備し、利き手を問わず、すぐ手が届く場所に防犯ブザーなどをつけられるようになりました。
教材が多い時に備えた、マチ幅の大きいタイプであること。素材には牛革と人工皮革を併用した「牛革ハイブリッド」を採用していること。そのため、大きいながらも軽いというのも「RECO」の大きな魅力です。


色選びの楽しさが広がり、機能の面でもより使いやすくなった「RECO」。こどもたちの数だけ、豊かな個性があるように。こどもたちの誰もが自分らしくいられる色と一緒に、大切な6年間を過ごしてもらえたらと願っています。


商品企画・南波
職人として入社し、製造・生産管理などに携わる。その後、ランドセルづくりの豊富な知識と経験を生かし現職へ。「こどもたちとご家族に納得していただける製品を届けたい」という信念のもと、最善を尽くす真摯な姿勢は、どの部署にいても変わらない。