こどもと私の、ランドセルの選び方
6年間という長い月日を、こどもたちと一緒に過ごすランドセル。どんなふうに、何を基準に選んだらよいのでしょうか。4年生の女の子の母親であるスタッフ・松元に、「いい思い出になった」というランドセル選びを振り返ってもらいました。
1
撮影前は「水色」か「ピンク」と話していたが、実際に背負うと「パープル」が気になり始め……。
2
種類がたくさんあって、写真だけでイメージを膨らませるのは難しい様子。
3
「選択肢を広げてあげたい」と、お店で実物を見ながら選ぶことに。
4
本人の希望を尊重し、「パープル」に決定。愛着を持って使えるように、「自分で選ぶ」ことを大切に。
5
大人っぽい色味で、成長したいまも、お気に入りのランドセル。
スタッフ
松元
4年生の娘が選んだランドセルは、「アトリエ」シリーズの「牛革 パープル」。「ランドセル選びを通じて、親子でいい体験ができました。これから選ばれるみなさまにとっても、思い出に残る時間になりますように」
※写真のランドセルは旧モデルです。
ランドセル選びへの思い
選び始める前に、決めていたこと
ランドセルを選んだ当時は、「こどもが自分で決める」という体験を大切にしてあげようと思っていました。6年間使うものだから、愛着を持ってほしくて。自分で選んだものと、親が与えたものとでは、きっと思い入れが違いますよね。
ただ、「6年生になっても使うものだよ」ということや、素材の違いなど、こどもが自分で気づけないことは私からきちんと伝えようと。夫とも、「本人がそれを理解した上で決めたものならそれにしてあげよう」と話していました。
実物を見て固まった
「好き」の気持ち
ランドセルとの初めての出会い
カタログやWEBサイトを見てから、お店で実物を背負って確かめる――。この順番でランドセルを選ばれるご家族が多いかと思うのですが、わが家は少しだけ特別でした。娘が「アトリエ」シリーズのカタログ撮影に協力することになったので、撮影がランドセルとの初対面になったのです。
水色が好きな娘。ところが、気に入ったのは……
撮影前、娘に何色のランドセルがいいか聞いた時は、「水色かピンク」と話していました。ところが、撮影で背負った「アトリエ パープル」をとても気に入ったようで、その場で「これにする!」と。そのころ、紫色も娘の好きな色でしたが、一番好きな色ではなかったので驚きました。
撮影で見たのは「アトリエ」シリーズの3色だけですし、カタログ配布や店頭展示も始まる前だったので、水色やピンクを見たら、気持ちも変わるかもしれない。
また、「選択肢を広げてあげたい」という思いもあり、最終的にはお店でいろいろな色を見てから決めることにしました。私自身、店頭に展示された60種類以上のランドセルを前に、娘がどんな反応を示すのか、その中から何を選ぶのか、それを見るのも楽しみでした。
選択肢を広げてあげたくて、
実物を見にお店へ
喜ぶ姿を見て、「その気持ちを大切にしたい」
撮影が2月ごろで、カタログが届いたのは、確か6月ごろだったと思います。「こんなに種類があるね」と娘と一緒に見ましたが、まだ年長ということもあって、写真だけでイメージさせるのは少し難しいようでした。
お店には後日、保育園の帰りに行きました。水色やピンク、その他の色も背負ってみましたが、「アトリエのパープルがいい!」と。
正直なところ、私の中には「シンプルな茶色を気に入ってくれたらいいな」という気持ちもありました。でも、こんなにうれしそうにしているなら、この色にしてあげたいと思えたんです。ランドセル選びを始める前に、「こどもが決めたものにする」と考えていたこともあり、心の折り合いはすんなりつきました。
お店では、重さや背負い心地も確認
ランドセルを選ぶ時の要素には、「色」のほかに、「素材」や「重さ」、「背負い心地」「収納力」などがあります。それらをこどもが一人で判断するのは少し難しいかもしれないと思ったので、そこは私がサポートしながら、一緒に確認していきました。
例えば素材なら、「ざらざらだったり、つるつるだったり、素材によって見た目の印象が変わるでしょう」と違いを伝え、こどもの視点がそこに向くように。また重さや背負い心地の違いを聞いてみると、「気にならない」とのこと。
私は土屋鞄のスタッフとしてランドセルづくりの現場も見ていますし、会社がこどもたちの体を思って、毎年改良を重ねていることも知っているので、使い勝手の面でも疑問はなくて。だからそこまで深く悩まず、本人の好きな「アトリエ パープル」に決まりました。
思い出に残る、
ランドセル選びの時間に
「自分で選んだ」という経験が、愛着に
娘は今年、4年生になりました。選んだ時のことを聞いてみると、「中に絵柄が入っているのがかわいくて、『これにしよう』って思ったのを覚えている」。そして、「絵柄がこどもっぽくなくて、今も好き。色も大人っぽいから、きっと6年生になっても好きだと思う」と話してくれます。
一緒にランドセルを選んだことや、自分の好きな色に決めたこと。きっとその体験が、今の愛着につながっていて、この先、記憶の中に刻まれていくのだろうと思います。
また私にとっても、「自分のものを自分で選ぶ」というこどもの成長を見ることができた、いい体験でした。こうやって大きくなっていくんだなという少しの寂しさも感じつつ、「これからもこうして選ばせてあげたい」と思えた時間だった気がします。
娘と私のランドセル選びは、撮影から始まるという特別なところもありましたが、今からランドセルを選ばれるみなさまにとって、何か参考になるようなことがあればうれしいです。