愛着を深めてくれた、ランドセルの修理
卒業の日まで元気いっぱい背負えるように。職人がランドセルを見守り続ける「6年間無料修理保証」。在学中、このサービスを利用されたフリントさんご家族に、修理のことやランドセルとの思い出を伺いました。
フリント恵美さん・ノアくん
ノアくんは中学1年生(取材当時)。きょうだいおそろいで、土屋鞄のランドセルを愛用。親元から巣立っていく時、リメイクしたランドセルをお守り代わりに贈るのがお母さまの小さな夢なのだそう。
ずっとお気に入りだった
ランドセル
色合わせの楽しさに引かれて
息子のノアが背負っていたのは、「紺×水色」のランドセルです。海のような空のようなブルーがベースになって、本体と背あてで色が異なる楽しいデザイン。本人が自分で選んだこともあり、卒業するまでずっとお気に入りでした。
購入当時、土屋鞄のランドセルに特に引かれたのは、このきれいな色使いです。お店の壁に並んだ色とりどりのランドセルを前に、12色の絵の具セットにはないような絶妙な色合いと、その美しさにほれぼれして。「ノアは、この中からどの色を選ぶんだろう?」と、親の私も一緒にわくわくさせてもらったことを、昨日のことのように覚えています。
写真中央がノアくん(提供:フリントさんご家族)
修理保証も選ぶ決め手に
わが家は男の子3きょうだいで、ノアは次男のお兄ちゃん。小さいころからやんちゃなタイプではなかったものの、ランドセルは6年間毎日背負うもので、いつ故障するともわからない。だから、在学中はずっと無料の修理サービスがあって、「いつでも直してくれる職人さんがいる」と思えるのは、とても安心できました。
やんちゃではないと言っても、1年生のころは帰宅するとランドセルを椅子代わりにして座っていることも。「壊れるから、やめなさい」と注意していましたが、あのころはランドセルの方がずいぶん大きく見えて、息子は小さくてかわいかったなと、いまでは懐かしい思い出です。
修理サービスへの安心感と
鞄への愛着
優しい心配りがうれしくて
ランドセルの修理をお願いしたのは、実は6年生の12月。長年使ううちにひびが入ったのか、肩ベルトと本体をつなぐパーツが割れてしまって。
「卒業まであと少しだし、どうしよう」と悩んだのですが、片方のベルトにしか腕を通せず不自由そうにしている息子を見て、依頼の電話をしました。
そうしたら、「全く問題ないですよ」と言ってくださって、翌日には貸出ランドセルが到着。素早い対応に驚きつつ、こどもが不自由にしていることを察してくださったのかなと、その優しい心配りがとてもうれしかったです。
修理の体験が気づかせてくれたこと
朝が来れば、毎日背負って一緒に学校に行く。ランドセルは、空気のようにそばにあるのが当たり前。だから、成長とともにランドセルへの愛着が増していたんだと気づかされたのは、修理の体験でした。
使い慣れない貸出ランドセルを背負うと、「1年生のころに戻ったみたいでソワソワする」と。そして、修理期間を経て自分のランドセルが戻ってくると、「ああ、やっぱりこれだ」と、ほっとしていたのが印象的でした。
息子の体にくったりなじんだ鞄をうれしそうに背負うのを見て、長い時間をともに過ごすうちに愛着が芽生えていたんだなと、親の私もうれしくなって。何より修理のおかげで、自分のランドセルで卒業の日を迎えられたことを本人はすごく喜んでいました。
いつも一緒だったから
思い出話に花が咲く
成長も思い出も刻まれて
ランドセルには、こどもの成長とたくさんの思い出が詰まっていて、息子も親の私も愛着があります。役目を終えたからといって「またね」という気持ちにはなれず、いまもこうして手放せなくて。
先生に褒められた日は笑顔がいっぱいだったなとか、友だちとけんかした日は元気がなかったなとか。この鞄に手を添えると、そんな過ぎた日のことが次々とよみがえってきます。
いつまでも見守り続けてほしい
ゆくゆくは3人分のランドセルをミニチュアサイズにリメイクして、それぞれが親元を巣立つときに手渡せたらいいなと考えています。きょうだいの証しとして、それから、お守り代わりとして。こども時代をずっと見守ってくれたように、きっと、小さくなったランドセルも、未来のこどもたちのことを見守ってくれるのではないでしょうか。
ただそれまでの間は、ときどき息子と一緒に眺めては、思い出話に花を咲かせる。そのままのランドセルと一緒に、もう少しそんな時間を楽しみたいなと思っています。