テキスタイルに織り込まれた、こどもたちへの思い
2027年ご入学用ランドセルのシーズンを彩るメインビジュアルは、土屋鞄の「おやこリフレクター」 のデザインも務めた氷室友里さんに手がけていただきました。
完成したのは、広大なフィールドが描かれたオリジナルのテキスタイル。無数の糸からなる色鮮やかな布に隠された遊び心や、込められたこどもたちへの思いを伺いました。
Textile Designer
氷室友里
日本とフィンランドでテキスタイルを学び活動するデザイナー。人と布との関わりを通して、日々に驚きや楽しさをもたらし、豊かにしていくことをテーマに、遊び心あふれるテキスタイルを生み出している。近年は、デンマークや韓国での展示会など海外でも活躍の場を広げている。
唯一無二のテキスタイル作品
(LAPLAND by YURI HIMURO)
━はじめに、氷室さんの手がける作品について教えてください。
「ジャカード織」と呼ばれる織り方で布を制作し、織り上がったものをハサミでカットしてアレンジする「SNIP SNAP」というシリーズを中心に、テキスタイルを手がけています。使い手がカットして自由に柄をアレンジしながら、驚きや楽しさなどのポジティブな体験を届けたいと思っています。
また、織りの設計からデザインしていて、柄を“描く”というよりも5〜6色の糸を使って“組み立てていく”のが特徴です。テキスタイルは平面的なイメージがあると思いますが、糸の重ね方や織り方を立体的な視点で考えていますね。
━ほかにはない、ユニークなスタイルが魅力的ですよね。「おやこリフレクター」に続き、制作いただきありがとうございます。
以前から、土屋鞄さんのものづくりに対する妥協のない姿勢に共感していました。長くものづくりをしているとベストが生まれてやり方が固まりやすくなると思うんです。それでも「まだまだ良いものをつくれるはず」という探求心に、今回も刺激を受けました。
「BLOOMING FIELD」
すべてのこどもたちが自分らしく花ひらく
━ついに、印象的なグリーンが広がるオリジナルのテキスタイルが完成しました。どのようなものが描かれているのでしょうか。
テキスタイルには、こどもたちやランドセル職人、さまざまな生きものがいて、布をハサミで切り開くと花やヘビなどが顔を出します。こどもたちは小学校生活を通して、さまざまな出会いを積み重ねながら成長していきますよね。そんな日々を、布を切ることで豊かになる景色と重ね、「BLOOMING FIELD」と名付けました。
━こちらの作品は、2027年ご入学用ランドセルのカタログや店舗のウィンドウを飾ります。間近で見ながら、散りばめられたモチーフを探してみるのも楽しそうです。
そうなんです。隠れているのは花やヘビだけではありません。じっくり見ながら「お!」という出会いをしてもらえたら良いですね。また、「この木にはどんな実がなるのかな」「この親子は何を話しているのかな」など、親子の会話が膨らんだらよりうれしいです。
完成までの道のり
━どのようなプロセスでデザインを考えられたのでしょうか。
イメージの出発は、ランドセルのように“長く一緒にいることで豊かになる”でした。土を掘って耕す子、お水をあげて花を育てる子などから、「豊かさ」を連想。それらのモチーフを、ハサミでカットする前もした後も楽しんでいただけるデザインであること、こどもたちが自由に物語を想像できる余白があることを意識しながら配置していきました。
━こだわりを重ねた部分を教えてください。
まずは緑色のトーンですね。全体を印象付ける大事なキーカラーなので、こどもたちのワクワクした未来を予感させられるよう明るめに。今回の作品は全部で6色の糸で織られているのですが、下にある糸色が少し透けるため、イメージと違う緑色に見えることがあります。どの雰囲気が良いのか、何度も検討しました。
あとは、ランドセルの小さな金具の表現なども試行錯誤しましたね。デザインデータでは問題がなくても、実際に機械で糸を織ると潰れたり消えてしまったりと反映するのが難しいんです。こどもたちが見た時に「ランドセルだ!」と認識してもらえるように、織り工場の職人たちと最後まで調整しました。
━最後に、この作品を目にするこどもたちへメッセージをお願いします。
6年間新しい出会いがたくさんあると思います。それも良いことだけではないかもしれません。そんな時、その1つだけを見ると難しい出来事に思えるけれど、積み重ねた先ではきっと豊かな景色が待っています。いろいろな経験を味わいながら、ワクワクした気持ちで過ごせますように。ずっと願っています。
1月31日(土)以降、全国の店舗や出張店舗ではテキスタイルをあしらったディスプレイをご覧いただけます。本物の布を見られる店舗も多数。どうぞご家族皆さまで見にいらしてください。
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