土屋鞄の思い

背中に、心に、優しい記憶を。

例えば、こどものころ何度も読んでもらった絵本と書店で再会した時。
例えば、こどものころいつも車の中でかかっていた曲がラジオから流れてきた時。

家族のぬくもりを思い出して、
胸があたたかくなったり、安心したりしたことはありませんか。
幼いころの幸せな時間を思い出させる“もの”や“こと”には、心をあたためてくれる力があります。

ランドセルも、きっとその一つ。
家族が自分のために選んでくれた時間や、
「いってらっしゃい」「気をつけてね」と背中越しに掛けてくれた言葉。
ランドセルは、そんな家族に愛された記憶とともに、
こどもたちの心の中で生き続けていくのではないでしょうか。

だから、つくる時間も、ご家族で選ぶ時間も、こどもたちが使う時間も大切に。
わが子を思う家族の気持ちを重ねられるような、人の手のぬくもりに満ちたランドセルを届けるために。

ランドセルづくりとその先の、
こどもたちの6年間と心豊かな未来を思いながら、職人、スタッフ、それぞれが、
自分にできる精一杯を尽くしていきます。

つくりに丈夫さを、佇まいに品格を


1965年、創業者・土屋國男は、
東京の下町にある自宅の片隅に、11坪の工房を開きました。
これが、私たち土屋鞄製造所の始まりです。

創業以来、大切にしてきたのは、
6年間の成長を支える丈夫さと、
使うほどに愛着が深まる、美しい佇まい。
職人たちの間に、脈々と受け継がれてきたそのこだわりは、
「こどもたちとご家族を、心まで満足させるランドセルをつくる」という、
創業者の信念から生まれました。

これまでも、これからも

「つくってもつくっても、満足することはないんだ」
それは、創業当時からのベテラン職人がふと言った言葉。

数百、数千とつくっても、こどもたちにとっては一生に一度の、
たった一つのランドセル。

だから、自分の技におごることなく、
ランドセル一つひとつに全力で取り組むこと。
そして、現状に満足せず、「もっといいものがあるはずだ」と、高みを目指し続けなければいけないこと。

多くを語らないベテラン職人の言葉には、
そんな、ものづくりへの熱い思いがにじみ出ていました。

その姿勢は、後輩の職人たちに脈々と受け継がれ、
デザイナーや技術開発者、店舗スタッフなど、
ランドセルに携わるスタッフにとっても、
それぞれの仕事と真摯に向き合う原動力となっています。

ランドセルづくりのその先の、こどもたちの毎日を思いながら、
これまでもこれからも、確かなものづくりを。
そして、立ち止まることなく、新しい挑戦を掲げ続けていきます。

土屋國男(土屋鞄製造所・創業者、職人)
1938年生まれ。15歳で鞄メーカーに就職し、27歳で独立。2022年、厚生労働省から「現代の名工」、日本皮革産業連合会から「JAPAN LEATHER GOODS MEISTER(鞄部門)」に選ばれる。